動物病院のまいにち 2025.4
- Haruna Takeda
- 8月21日
- 読了時間: 3分

動物病院での日々は、出会いと別れの連続です。このシリーズでは、どうぶつたちが教えてくれたことを日記にして綴っていきます。生死に関わる直接的な表現もありますので、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
なお、使用している画像はイメージであり、日付は特定を避けるためにDay◯としています。
Day1

私が病院で働き始めた時にはすでに常連だった子が、その日旅立った。
猫のほとんどが腎臓病でこの世を去る。その子も例外ではなかった。
2日に1回、点滴に通っていた。
最後の5日間くらいは、毎日来ていた。
立つことができず、食べることもできず、意識も朦朧としていた。
だけどこの子は最後まで「生き切った」と、私は思う。
最後の日は車から降りられず、後部座席にマットを敷いてそこで点滴をした。
私は次の日が休みだったので、車まで顔を見に行った。
「撫でてもいいですか」と聞くと、飼い主さんは「ありがとう」と言った。
こちらが「ありがとう」と言うべきだ。
この子以上に、”命をまっとうした”と自信を持って言える子を私はまだ知らない。
”生きる”ということを私に教えてくれて、ありがとう。
R.I.P. ビビ
Day2

しばらく入院していた子。
状態が良くなったから、お家に帰った。
そのはずだった。
数日して病院に来たときは、今にも逝ってしまいそうな状態だった。
キャリーを開けた瞬間に、空気がピリつくのを感じた。
できるだけ興奮させないように、痛くないように、集中して丁寧に処置をした。
飼い主さんは「このまま逝ってしまうこともあり得るんですか?」と聞いた。
先生はハッキリ伝えなかったが、彼の命が今にも消えそうなことは
私からすれば火を見るよりも明らかだった。
彼が退院した日、ご家族みんなが集まって、彼の退院を祝ったそうだ。
だいきちも、みんなに元気な姿を見せたそう。
心配させまいと、彼なりの最後の挨拶だったのかもしれない。
あまりに突然のお別れに、ご家族はそれを受け入れることができるだろうか。
また会えるといいね。
R.I.P. だいきち
Day3

もう3日もろくに食べていない。
具合が悪くなってから、どうしてそんなに放っておいたのだろう。
うさぎさんは特に、あっという間に逝ってしまう。
前の子も同じような症状で亡くしたそうだ。
飼い主さんは、点滴して良くならなければ諦めると言った。
もっと早くに連れてきていれば、やれることももっとあっただろうに。
「この子は幸せだったかなぁ」と言って連れて帰った。
”この子”にとってはあなたが世界のすべてだったんだから、
それは幸せだっただろうよ。
大切な家族のこと、知識があれば助けられることもある。
R.I.P. 大福


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