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ハロウスクールの学生たちが、動物保護施設にボランティアに来てくれた話

  • 執筆者の写真: Haruna Takeda
    Haruna Takeda
  • 5月1日
  • 読了時間: 6分

更新日:5月6日


橋を渡るコーギー

私が住む岩手県には、英国式のインターナショナルスクール「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」があります。ひょんなことから、そこの生徒さんたちが動物保護施設にボランティアに来てくれることになりました。


※この記事は、2024年8月13日にnoteに投稿したものを加筆修正したものです。




5月のある日


ある日ハロウスクールの先生から、生徒たちにボランティア活動をさせくれないかと依頼がありました。 このハロウスクールは、私が大学を卒業するかしないかの時に「岩手にできるらしいよ」と噂で聞き、以前から存在は知っていました。しかし私は英語ができないので、バイリンガル教育とは無縁だろうと思っていました。(実際は、ここの生徒さんたちは卒業までに日中英を習得するそうなので、言葉の壁は杞憂でした。)


お話を伺うと、この学校では週に1回「ボランティア活動をする日」があるとのこと。 私は以前IB校に勤めていたことがあり、そこでも「CAS」と呼ばれる必修の課外活動(ボランティア活動)がありました。おそらく似たようなものだと思います。

そのボランティア先として、私が勤める動物保護施設にお声がかかったようです。


そんなこんなで、予期せずハロウスクールと関わりを持つことになりました。 生徒さんたちは、複数ある施設やボランティア活動から自分でボランティア先を選ぶので、保護施設に来るということは少なくとも「動物に興味・関心がある生徒たち」のようです。ただし毎回同じメンバーというわけではなく、しかもボランティア自体不定期での参加(開催)になるとのことでした。


生徒さんたちにはどんなことをしてもらおうかと悩みました。

もちろん一般のボランティアさんと同じように、犬のお散歩やお部屋の掃除などをお願いするという方法もあったのですが、せっかく参加してもらうなら何か学びを得てほしいという想いもありました。



STEAM / PBL


そこで私が提案したのが、「生徒自身にやりたいこと/できることを考えてもらう」という方法です。

元からPBLや探究学習的な考え方が好きだった私は、こちらから「これをやってね」と課題を”与える”のではなく、生徒自身がこの施設のために・動物たちのためにやりたいこと、できることを考えて行動してもらうのはどうか、と考えました。

例えば…


  • 一番おいしいドッグフードはどれ?比較検証

  • どんなおもちゃが好き?猫のおもちゃを作ってみよう!

  • 動物保護って何?保護動物って何?

  • 犬クサイ!どうすれば臭いが消えるのか!?


などなど。

施設を見学する中で、それぞれが疑問に感じたことをテーマにして、その解決/解消に向けてプロジェクトをする、そんな活動ができたらおもしろいなと考えたのです。


結論から言うと、まだこれは叶っていません。施設の代表にも先方の先生方にも賛成こそしてもらったものの、ボランティア活動の時間は週に1時間と限られており、しかも活動は不定期なので、なかなかまとまった時間を確保することができていません。夏休み明け、この活動ができることを楽しみにしています!



スクールドッグの可能性


この一件があった後、偶然「スクールドッグ」という活動に出会いました。簡単に言うと、学校にセラピードッグのような犬を派遣し、子どもたちの居場所を作るという活動です。(※スクールドッグの活動は医療行為ではないので、正確にはセラピードッグではありません。)


安比のハロウスクールは全寮制です。そうでなくても、子どもたちが長い時間を過ごす”学校”にもし犬がいたら、そしてその犬がもし”保護犬”だったら、それに触れて育った子どもたちの未来はきっと大きく変わるはずです。


そんなことを考えながら、今年始まった日本スクールドッグ協会の研修に、何度か参加しました。しかし肝心のハンドラーになるための合宿研修へは、悔しいですが今回は参加を見送ります(泣)

8月に開催されるのですが、気持ちはあれどお金がない……。何と言っても開催地が岡山県。岩手からは片道3万円ほど😭ちょーっと厳しい!悲しい!!来年までにお金を貯めて、リベンジしたいと思います。



ボランティアをするということ

ボランティアさんが作ってくれた素敵な動画

動物保護がボランティアで成り立っている現状と、日本語教育業界のそれは、とてもよく似ていると感じます。

個人的には、ボランティアに依存するこのシステム自体には反対(何とかしなければと思う)けれども、そうは言っても「ボランティアさん」がいたからこその良き出会いがたくさんあったのも事実です。


国家公務員またはそれに準ずる者であるために、物理的に”ボランティアしかできない人”たちもいます。それでも犬猫のためにと無給で来てくれる、とてもありがたい存在です。


カンボジア帰りの元日本語教師にも会いました。ご本人は自ら名乗りませんでしたが、なんとなく同じ匂いがするなと思って聞いてみたら、教師をしていたのはかなり前だそうですが、こんなことってあるんだ!と驚きました(笑)

その方は以前、カンボジアのNGOで働いていた時に、「犬猫が病院に行くなんて…」というカンボジア人の考え方を見て、カンボジアの動物福祉を変えたいと思ったそうです。今は動物看護師になるための勉強をしながら、合間を縫ってボランティアに来てくれています。


中には社会復帰の足掛かりとして、ボランティア活動に参加される方もいらっしゃいます。

ある方は毎週欠かさず犬たちのお散歩に来てくれて、体力回復や「働く」ということにもう一度向き合い、社会復帰するためにこのボランティアを活用していると言っていました。自分のペースで参加できるのが、ボランティアのいいところでもあります。


私自身も、この施設を退職してからボランティア活動をするようになりました。

元職場をはじめ、同じ県内で活動する別の動物保護団体さんでのボランティア活動にも参加し、様々なやり方や取り組みを知ることができました。

社会の役に立っているという実感ややりがいが感じられ、出会いや繋がりができたのも大きな収穫です。


動物保護の仕事をしてよかったこと

アルパカを眺める学生たち
物珍しそうにアルパカを見つめる生徒たち

端的に言えば、「出会いがある」ことです。

正直、良い出会いばかりではありません。「何だこの人」と思うこともあれば、悲しい別れもあります。

でも画面越しのやり取りだけでは体験できない、さまざまな出会いと別れがあるのです。これまでずっと一人で個人事業主をしてきた私から見ると、「ひとと一緒に働くっていいな」と思えた半年間でした。もちろん大変なこともあるけれど、人や動物との出会いが自分を成長させてくれていると感じる毎日です。


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